函館育ちふっくりんこは JA新はこだてライスバンク - ふっくりんこ誕生秘話

ふっくりんこ誕生秘話

 

 

1.全体道南米 平成15年度頃までの経過
 
 これまでに道南では、道南育種品種(ほのか224・巴まさり・しまひかり・マツマエ)を生産販売してきたが、すべて品種が消え去り、ここ10年の、生産販売品種は、上川等で育種された品種(きらら397・ほしのゆめ・ななつぼし)となっていた。
 道南の水稲平均作付面積は、2~3ha/戸と規模が小さく、野菜、花卉、畑作、畜産等複合経営が古くから盛んでかつ複合経営が多い状況である。
水稲の歴史は、北海道水田発祥の地として歴史は、古く、食糧管理法時代もあり、すべてではありませんが、安定収量と1等米の品質努力をしてきた。
 新食糧平法が始まった平成7年時点では、道南の産地指定率は、2%と低いレベルとなっていた。
このため、当時、JAが広域合併前で、広域生産販売組織 『函館育ち南部米品質向上委員会』
『函館育ち北部米品質向上委員会』を立ち上げ、函館育ちロゴと基準(玄米白度基準クリヤーをしたら、広域ロゴマークで販売)取り進め品質とユーザーに対応する取組を強化した。
 更に平成12年度には、品質集荷ロットを確保できる販売核施設として、広域穀類乾燥調製貯蔵施設『函館育ちライスターミナル』を北斗市(旧大野町)の支援をいただき、10JAが大同団結し建設稼動、現在の稼働率は200%以上となっている。

 

2.デビュー迄も難産であった ふっくりんこ (銘柄名がつく前の経過)
 
『ふっくりんこ』は、北斗市の道南農業試験場が育種し、当時、渡育240号として、平成12年度に、北斗市の農家4名が現地試験を行った。
 平成13年は、現地試験を広域に広げ現地試験を再検証し、品種検討協議(道庁・試験場・ホクレン等)により行われ、当時の北海道米の販売は、大ロットによる道外販売が中心、晩成種であるふっくりんこは、道南地域に作付が限定されるため、誰しもが必要としない考えであり、育種者の強烈な熱意もありましたが、13年では、残念ながら、道産優良品種とならず1年先に見送りとなる。
 14年の再協議は、試験場、育種試験場担当者の進退を賭ける程の強力な熱意と気迫もあり、協議出席者の心も動きましたが、販売側面等からは、今でも忘れないが、『こんな品種売れるか?』、『いくらおいしいといっても知名度にかける』、『ある程度ロットがないとな』生産側では道南地方の気候を最大限生かした、これまでの早生とは違い晩成種であることで生産体系も有利となることや、『ちゃんと作れば、精米蛋白は、下がり、道南特有の秋が長いことにより、玄米白度を確保できる米』、是非、生産販売したい意向は強かった。
 この当時、流通サイドでは、誰もが認めてくれなかった経過にあった。
 協議出席部会代表者が、それは、『ここにしかない、おいしさ品質、白さも含め、地元の消費者のために、きちんと作ろう』、つまり、地元消費者等のために おいしい米を作ろうと目的を定め、大切に作ると言う基本を再度協議し見直した。
 このことにより、『やってみなけきゃわからない精神』との始まりで、更に地元米穀会社の協力もあり、地元消費者から 『おいしいと言われたい』『おいしいと言わせたい』『また食べたいと言われたい』と3つのコンセプトが出来上がり、栽培・生産・販売・精算方法等を含めて栽培しながら1年間協議することとしました。
 結果的には、誰もが過去の道南独自品種の失敗を真剣に考え激論を交わし道南限定生産として2年がかりで優良品種に決定した経過となる。

 

3.ふっくりんこのデビュー
 
 道南農業試験場を中心に銘柄を募集し、女性で銘柄を決定した年でもあった。
28名(1,000名中)20haの少数精鋭のデビュー不覚にも平成15年の大冷害年、またもや『過去の品種の失敗』、『運のなさ』を頭がよぎり誰もが、あきらめかけていたが、しかし他の品種よりも収量、品質が良好、官民の応援、メディアの協力支援、地域話題となり即完売となった。
 ここで、『品種の実力』、『生産・栽培・の努力』により『品質基準の設定の基礎』となった。

 

4.16年産以降の生産販売は、順調であったが…….
 
 平成16年度から、春以来生産栽培出荷基準を定めて取り組みしていましたが、より、生産・集荷・販売・精算を明確にすべく、更に、自ら厳しいルールを作り、プレッシャーを与え、このことをチャレンジできる水稲生産者が、やる気のある米作りとして基準を強化し、函館育ち南部米品質向上委員会の広域専門部会として8月に『函館育ちふっくりんこ蔵部』を設立し、この年に、業務用業界 ラッキーピエロ、ハセガワストア、函館市内のお米屋さん等に積極的に販売推進を行った。
 結果は、ラッキーピエロのみ採用をしていただいた経過である。
 
 又、この当時の卸売業者の評価は、品質評価は、あるものの価格評価では、ほしのゆめより、△500円/60kg評価で末端販売価格も、1600円/5kgのお米でしたが、また、イベント等も積極的に参加して、官民上げて啓蒙し翌年3月末で完売。 話題評価が、価格に反映できず、生産品質維持向上と販売推進と取組に磨きかけ努力する方針とした。
 
 平成17年産では、品質+価格評価が高まり、生産量が追いつかず、翌年5月末で完売。
 
 平成18年度では、全道的な新品種として おぼろづきが大フィーバー、ふっくりんこも面積を増やし、全道販売の声・応援もありましたが、地元の供給が最重要として、道央圏のせっかくの行為をすべて丁寧にお断りをさせていただき、地元函館・道南の消費者のためにと限定販売、結果的に翌年7月で完売。  
 このため、種子供給も困難を極め、平成17年産より品質・集荷力を重視した生産面積方法を部会で方針協議し決定、この中では、組合員という立場で、供給による不満が爆発しましたが、各地域の米生産組合、部会等が説得しながら、大切に取り進めした。
 一方販売では、価格評価が上がり、平成18年産では、末端価格 1900円/5kg前後で販売され、生産・取組努力も反映された。
 しかしながら、ふっくりんこ蔵部以外のふっくりんこが業務用で出回ったり、ふっくりんこ米袋で販売されたりと これまで、函館育ち、キャラ、ロゴの3点を前面にPRしてきましたが、偽者的な流通にも悩まされた。
 このため、偽者を取り締まるか、本物を更に創出するかの議論を重ね、『函館育ちふっくりんこ蔵部』マークを添付させて、年間で新聞等情報媒体を使い取り組みを更に強化した経過にあります。
 結果的には、100%防げることではありませんが、H19年には、食品偽造問題もありましたが、業務用店舗からの問い合わせが殺到して、本物ユーザーが増える、また、地域の消費者が応援してもらえる結果

 

 

5.全国販売へ
 
 平成20年産では、産地サミットに、JAピンネふっくりんこ生産組合が新加盟となり、初の地域ローカル品種が、全国発売に向けて販売されました。 しかも、業務用向けでは、プロご用達のお米として推進をしています。
 平成21年度では、需要に見合った生産拡大をする、新しい仕組みが検討されています。
これまでに、できなかったことが、なぜ、この品種でできるのか。
この品種には、世を変える力があるとも思える。
全国でも、全道でも、そして、地元でも愛される ふっくりんこ 現在でも、原点に戻りながら、活躍をさせていただいています。
 応援、ご愛顧を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

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